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Words.

Cocoon

2018年3月作

若さというものは時に煩わしく忌々しいしがらみのようなものです。

しかし遠からずその若さが緩やかに私を手放した時、真っ直ぐにふらつかず歩くことが出来るのでしょうか。

若さというのは枷であると同時に添え木なのかもしれません。

所謂「若さ」が含有しているものが過剰なまでの愛や執着や恨みや憎しみ、孤独感だとするならば、それらを手放すことには一抹の寂しさのみならず底なしの喪失感を伴うのかもしれません。

それでも人は皆それを手放す時が来るのでしょう。

或いは手放すことが出来ずしがみ付き縋ったまま、器だけが老いさらばえていく人もいるでしょう。

だけど、それは手放すことが出来た人が得る喪失感よりも結果的に遥かに大きな喪失を得ることになるのだと思います。

追い縋っていた幻想も私を形成していると信じて止まなかった激しさも手放せた時、空になった手の中には何が生まれるのか。

何を握り、何を掴めるのか。

などと大仰なことを思いながら、手始めに冷凍庫に眠っている残り一つのアイスバーを取り出して食べようと思います。

ここまで読んでくださった方、もしいましたらありがとうございます。

以下歌詞です。

Cocoon

幼さだけが放つ

不思議な力が少しずつ

薄れていくのが分かる 

私は私の果てを思う

知らずに踏みつけた

潰れた花の霊が取り憑いたような

いびつな心臓

触れればまだ微かに暖かい

傷つけ 

苦しめたかった訳じゃない

ただ道を歩んだだけ

あの人もきっとそう

今 分かるよ

憧れたあの唄も今は遥か遠く

あの憎しみも夜の空

溶けて星になる

在りし日の物語を燃やす炎を背にして

この夜が明けるまで

見つめていよう

一瞬の喜びが

永い痛みをもたらすこと

知ってもなお薄れゆく

喜びを思ってあなたは泣いた

言葉を知らず

自分の名も知らず

あなたさえ知らずに

いられたら良かったなんて

今 思わない

ありふれたあの時が今は尊く

もう暖めても孵らない

卵抱いていた

それももう手放して

空になった手のひらを

少しだけ夜の風に

さらしていよう

花は散り

人は去り

声は消え

楽譜は燃え

変わり果てた大地に

新しい樹を植えよう


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