リノリウムから
やがて時は残酷な優しさで 僕らの背中を押して行く
骨は軋み出し この身を
傷つきにくいビルへ変えようとして
あの頃 月照る夜だけ現れる 長い廊下を渡って行けば
そこで君に会えたね 青い日々の幻だったとしても
天使の羽も竜の寝息も僕らは信じていたのに
いつからか見えなくなって 夢の帝国は崩れて行く
明滅する星の群れが とおくとおく君を運んで行く
僕は追いかけないさ まだ伸びたばかりの
この足で ぎこちなく生きて行く
君はもう あの夜の帳の向こうだろうか
近くにいたとしても もう感じられないけど
空想が空想で終わろうとしていくけど
まだ時々 どうしようもなく
胸が騒ぐの
明滅する星の群れが とおくとおく君を運んで行く
僕は追いかけないさ まだ伸びたばかりの
この足で ぎこちなく生きて行く
この足で またいつか会いに行くよ